帰ってきたラニーニャ  今秋にラニーニャ現象が発生する確率は71%と米海洋大気局

  約1か月前の記事で、日本の気象庁はラニーニャ現象が発生していると発表し、米海洋大気局(NOAA)は監視レベルを引き下げ、ラニーニャが発生する可能性は低いと発表していることについて解説しました。 Credit: CPC/IRI   しかし、ここにきてNOAAが再び監視レベルを引き上げ、今秋にラニーニャ現象が発生する確率を71%と発表しています(上のグラフを参照)。ただし、もしもラニーニャ現…

続きを読む

先住民によるダコタ・アクセス・パイプラインの建設中止を求める訴えが棄却

※ ここまでの話◆ パイプライン建設に先住民が抗議の座り込み  環境正義問題へと発展◆ 【アップデート】ダコタ・アクセス・パイプラインに一時的な建設中止命令◆ 米連邦3省庁がダコタ・アクセス・パイプライン建設の一時中止を発表◆ ダコタ・アクセス・パイプライン建設に出資している銀行 ~ 環境差別に手を貸す金融機関   9月に連邦3省庁によって一部地域における建設の一時的な中止命令が出ていた、…

続きを読む

ハイチで300人を超える死者を出したカテゴリー4のハリケーン「マシュー」が米フロリダ州に接近  上陸すれば2005年の「ウィルマ」以来

  ハリケーン「マシュー」がカリブからアメリカのフロリダ州にかけて猛威を振るっています。   9月29日にカテゴリー1になった後、24時間以内にカテゴリー5まで一気に勢力を強めたマシューは、その後ハイチに上陸して300人以上の死者を出し、バハマを通過してカテゴリー4の勢力(最大風速が毎秒58メートル)を保ったままフロリダ州の東海岸に向かって北上を続けています。   もしもマシューがこ…

続きを読む

【独り言】「パリ協定」発効決定によせて  長い目で見る自分と目の前の人たちを見る自分

  既報の通り、今日(2016年10月5日)「パリ協定」が55/55(55か国以上の批准国と55%以上の温室効果ガス排出量)の条件をクリアし、30日後(11月4日)に自動的に発効することが決まりました。   今年中の発効が疑問視されていたことや、本来なら数年先までに効力を持つようになればそれでよかったことを考えると、11月7日からモロッコのマラケシュで始まる「国連気候変動枠組み条約第22回…

続きを読む

「パリ協定」がすべての条件を満たす  11月4日に発効へ(日本抜きで)

  先日、インドとEUが10月初旬の批准を表明したことで年内の発効が確実視されていた「パリ協定」ですが、その後、インドやEU諸国をはじめニュージーランドなどが協定を批准し、10月5日現在で「55カ国以上の批准」と「世界の温室効果ガス排出量の55%以上を占める」というふたつの条件を満たしたため、11月4日に発効することが決まりました。 2016年10月5日現在のパリ協定の批准状況。Sourc…

続きを読む

今すぐに二酸化炭素の排出を止めても気温は最悪の場合7℃上昇するという研究結果 著名な気候科学者たちは否定的

  これまでに発表された研究結果で、世界平均気温の連続した再構築期間が最も長いのは22,000年でした。それを超える長期間の気温変化を表すグラフは、いくつもの研究結果をつなぎ合わせて作られています。   現在は米環境保護庁(EPA)に勤めるキャロリン・スナイダー氏が米スタンフォード大学博士課程在籍時に執筆し、科学誌「ネイチャー」に掲載された研究 (Snyder 2016) では、海洋の堆積物に…

続きを読む

日本抜きで11月にパリ協定発効へ

  2015年にフランスのパリで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」において196か国が合意した「パリ協定」は、その後191か国が署名し、年内に発効できるかもしれないという雰囲気が漂っていました。   その「できるかもしれない」を「できそう」に変えたのが、9月初旬のG20開催を前にしたアメリカと中国のパリ協定同時批准でした。世界1位と2位の温室効果ガス排出大国…

続きを読む

イネ科の植物は気候変動による環境の変化についていけないという研究結果

  気候変動の影響は、地球上に存在するすべての種に及びます。わたしたちの栄養源になる食物の原材料である動植物も気候変動の影響を大きく受けます。これまでに、このブログでもコーヒーやワイン、パンプキンにその影響が出始めているという記事を書きました。   今回、イネ科の植物の気候変動による環境の変化への適応力を調べたところ、ほとんどの種が気候変動の進行についていけないという米アリゾナ大学の研究チ…

続きを読む

先住民の若い世代には気候変動による環境の変化が普通になってきているという研究結果  米アラスカ州

  これまでに、気候変動による海氷の減少や永久凍土の浸食などによって米アラスカ州で先住民の町が移住の危機に瀕しているという記事をいくつか書いてきました。また、米本土のルイジアナ州では、連邦政府と州政府の援助を受け、先住民がコミュニティ丸ごと気候難民として移住することが決まっています。   本土と比較して約2倍の速さで気候変動が進むアラスカ州の先住民にとって、温暖化はいま目の前にある危機です…

続きを読む

土壌が吸収できる二酸化炭素がこれまでの予測よりも少ないという研究結果

  化石燃料などから排出される二酸化炭素は大気中に留まるだけでなく、海中や土壌にも吸収され、長い年月を経てまた大気中に放出されます。   土壌はこれまで二酸化炭素を放出する量よりも吸収する量の方が多く、気候変動による気温上昇を防ぐ役割を果たし、今後もその重要な役割を担うと考えられてきましたが、これまでの研究結果よりも土壌には二酸化炭素を吸収できる余裕がないため、今世紀末に向かって気候変動を…

続きを読む

グリーンランドの氷床が考えられていたよりも速く融解している& 東南極の氷床が考えられていたよりも早く融解するかもしれないという研究結果

  今週は北極と南極の氷床融解に関するよろしくない研究結果の発表が相次ぎました。気候変動に関する極地域の研究結果で明るい未来が見えてホッとした記憶がないので、ここで取りあげるのはいつも「予測よりも速く(早く)」という表現になってしまいます。     まずはグリーンランドの方から。科学誌「サイエンス・アドバンス」に掲載された研究結果(Khan et al. 2016)では、これまで発表された研究…

続きを読む

東南アジアの熱帯林乱開発に投融資する大手金融機関たち ~ サプライチェーンを調査する責任はだれにあるのか

  米環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)とサプライチェーン・コンサルタント企業の「プロファンド」が共同で行った調査で、東南アジアで森林乱開発の原因となった原材料を扱う企業に対し、2010年から2015年までの間に世界の大手銀行などの金融機関が総額500億ドル(5兆円。現在のレートで換算)を超える投融資を行っていたことがわかりました。調査結果のデータベースは公開さ…

続きを読む

【NOAA】 世界は8月も過去最高の暑さだった  16ヶ月連続で観測史上最高を更新

  2016年8月の世界平均気温は、米航空宇宙局(NASA)が観測史上最高で、日本の気象庁は観測史上2番目だったと発表しました。そして今日、米海洋大気局(NOAA)は8月の世界平均気温が同月として観測史上最高を記録し、昨年5月から続いている各月の観測史上最高記録の更新は16ヶ月連続にのびたと発表しました。また、今年の夏(6月から8月の3ヶ月間)と、今年に入ってから8月までの8ヶ月間も、それぞれ観…

続きを読む

2017年は今年よりも涼しい年になる見通し  NASA気候科学者

  世界平均気温は2014年、2015年と2年連続で過去最高を更新中で、今年も米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)のデータではすべての月で観測史上最高を記録しており、NASAゴッダード宇宙研究所のギャビン・シュミット氏は、99%以上の確率で昨年を上回って今年が最も暑い年になると指摘しています。   そのシュミット氏が、今年末の世界平均気温に加え、来年(2017年)の気温も予測して…

続きを読む

大気汚染による世界の経済損失は5兆ドル(510兆円)以上  世界銀行

  屋内外の大気汚染が原因で年間に約550万人が早死にしているという記事(『大気汚染で年間に550万人が早死に  半分以上が中国とインド』)を以前に書きました。世界保健機関(WHO)は、大気汚染が開発途上国に最も深刻な影響を与えているという調査結果を発表しています。また、石油・ガス産業による大気汚染が原因で、2025年までにアメリカで夏の間に子どもたちが合計で75万回ぜんそく発作を起こすようにな…

続きを読む

北極圏のあらゆる地域における氷の減少がホッキョクグマ存続の脅威に

  温暖化が他の地域と比較して2倍の速さで進み、減少を続ける海氷の影響を受けやすいことから、ホッキョクグマは地球温暖化の象徴として取りあげられてきました。   海氷面積が減少したことによって、本来はほとんどの時間を氷上で過ごすはずのホッキョクグマの陸地で過ごす時間が増えたため、人間と遭遇する機会も増えるという研究結果も発表されています。   急激に進む北極圏の温暖化と激減する海氷が、将来…

続きを読む

ダコタ・アクセス・パイプライン建設に出資している銀行 ~ 環境差別に手を貸す金融機関

ここまでの話・ パイプライン建設に先住民が抗議の座り込み  環境正義問題へと発展・ 【アップデート】ダコタ・アクセス・パイプラインに一時的な建設中止命令・ 米連邦3省庁がダコタ・アクセス・パイプライン建設の一時中止を発表   米ノースダコタ州からイリノイ州を結ぶダコタ・アクセス・パイプラインの建設を巡って、建設ルートの近くに居留区があり、1kmに満たない場所でパイプラインがミズーリ川の下を…

続きを読む

北極の海氷は観測史上2番目に小さな最小面積を記録

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)は、9月10日に北極の海氷が最小に面積到達したとみられ、2012年に次いで観測史上2番目に小さくなったと発表しました。   北極の海氷面積は9月10日に414万平方キロメートルを記録した後に拡大し始めたことから、NSIDCは10日時点の面積が今年の最小記録であるとしています(過去にいったん拡大を開始してから再融解して最小面積を記録したことがあるため、公…

続きを読む

【気象庁】8月の世界は観測史上2番目の暑さ

  気象庁が発表したデータによると、2016年8月は1891年の観測開始以来同月としては2番目の暑さになりました。また、今年に入ってから5月と8月を除くすべての月で観測史上最高を記録しています。 細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Credit: 気象庁   8月の世界平均気温…

続きを読む

「気候はずっと変動してきた」という否定派の根強い言説に対しウェブコミック著者の描いたグラフが話題に

  「気候はずっと変動を続けてきた。なぜ今さら心配する必要があるんだ?」   人為的気候変動否定派がよく使う言葉です。   最初の文は事実です。気候は常に変動してきました。軌道の変化や地球の傾き、振動の変化、火山の噴火などによって気候は大きくも小さくも変動します。氷期になれば4℃から7℃気温が下がり、最終氷期末期だった約2万年前、米マサチューセッツ州ボストンは1.5km以上の厚さの氷に覆われ…

続きを読む