【北極】 海氷の冬季最大面積が観測史上最小を更新

  気候変動によって融解が加速している北極の海氷面積は、2月から4月にかけて最大になります。夏の最小面積と、冬の最大面積の長期的な傾向を見れば、気候変動が進行しているかどうかを確認できます。

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)と米航空宇宙局(NASA)によると、北極海の海氷の冬季最大面積が、過去最小だった2015年を下回り、観測史上最小を記録しました。

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2017年2月17日時点の北極の海氷面積(単位: 平方キロメートル)。Credit: NSIDC

  北極の海氷は3月7日に今年最大面積となる1,442万平方キロメートルまで成長し、過去最小だった2015年を97,000平方キロメートル下回り、衛星による観測が1979年に始まってから38年間で最小を記録しました。これは、1981年から2010年までの平均を122万平方キロメートル下回っており、海氷の縮小が加速していることを示しています。また、最小記録の1位から14位までが過去14年間に集中していることも、気候変動の影響を如実に物語っています。

  なお、2016年の発表では、2016年が観測史上最小を更新したと伝えられましたが、その後に観測方法が更新された結果、2015年の最大海氷面積の方が3,000平方キロメートル小さかったことが判明したため、2017年が観測史上最小、2015年が観測史上2番目、そして2016年が観測史上3番目に小さな冬の最大面積となっています。

  一部で「冬の海氷最大面積が3年連続で史上最小を更新」と伝えられていますが、NSIDCの発表を反映していないと思われます。

 北極の海氷が冬季史上最小面積を記録したのは、秋から冬(昨年10月から今年2月)にかけて、北極海全体の平均気温が平年を2.5℃以上、一部の海域では5℃以上高くなったことが原因と考えられます。また、過去に例のない頻度で北極圏が熱波に見舞われたことも、海氷の凍結を妨げる原因になりました。

  北極圏の温暖化の影響は、北極圏内に留まってくれません。北極の大気が南下すると、中緯度地域で極端な気象現象を引き起こすと考えられています。その他の地域よりも2倍の速さで温暖化が進んでいる北極で起こっていることは、これから中緯度地域で起こる可能性が高いのです。

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