テキサス州ヒューストンで集中豪雨 洪水により8人死亡

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  米テキサス州ヒューストンとその近郊を襲った集中豪雨による洪水で8人が死亡、1000棟以上の建物が浸水するなど、その被害総額は5500億円を超えると伝えられています。

  ヒューストンの一部の地域は、24時間で430ミリという、ユタ州ソルトレークシティーの1年間の降水量を上回る集中豪雨に見舞われました。ヒューストン市内の至る所で道路が冠水し、多くの自動車が取り残されています。

  現時点(4月20日)で水鉄砲警報は解除されていますが、今後も数日は集中豪雨が起こる可能性があるため、被害の拡大が懸念されています。

  このような極端な気象現象が起こると、気候変動との関連性の有無が話題にのぼります。関連性が認められるケースもありますが、水循環や都市計画、地質などが影響する洪水は複雑なため、気候変動と関連づけるのは困難です。それでも、極端な気象現象と気候変動の関係についての研究はコンピュータの進化とともに進んできており、遠くない将来に特定の極端な気象現象にどれくらい気候変動が寄与したのかをシミュレーションすることが可能になると考えられています。

  今回のヒューストンでの集中豪雨と気候変動の関係は、特定の疾病の原因が遺伝的なものなのか、生活習慣によるものなのかを判断するのと同じだと考えられます。

  テキサス州の春は、1年で最も降水量が多い季節です。今年はそれに加え、終わりかけとはいえまだエルニーニョの影響でさらに大雨が降りやすい大気の状態になっています。おまけに、今回集中豪雨に見舞われたヒューストンはメキシコ湾の近くに位置するため、雨を降らせる水蒸気が海から無尽蔵に供給されます。つまり、この時期のヒューストンは「遺伝的」に集中豪雨が起こりやすいのです。

  しかし、遺伝子的に特定の疾病に罹患する可能性が高くても、その病気を悪化させないように生活習慣を変えればリスクを下げることはできます。逆に、病気が悪化するような生活習慣を続ければリスクはさらに高まります。

  気候変動が極端な気象現象に与える影響もそれと同じです。産業革命以降、化石燃料の使用を続けてきたために大気中の温室効果ガス濃度が上昇し、それに伴って産業革命前と比較して地球規模で気温が約1℃上昇しています。

  物理的にとてもシンプルな話で、気温が上昇すればするほど、海や湖、川から蒸発する水分は増加(気温が1℃上昇すれば大気中の水蒸気は7%増加)します。元々「遺伝的」に集中豪雨が起こりやすいこの時期の大気に、私たちの「生活習慣」によって水蒸気をさらに加えてしまっているのです。

  私たちに突きつけられている選択肢はふたつです。

  余分なリスクを減らすために「生活習慣」を改めるのか、それとも症状が悪化することをわかっていながらこれまで通りの生活を続けるのか。

  選択するのは、私たちです。

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